株式会社設立に際して必要な公証人による定款の認証ですが、
以前は書面の定款での認証しかできませんでした。しかし、電子取引の要請が強まったことを受け
導入された電子定款の認証が、現在ではその多くは電子定款での認証となっております。
以下では、電子定款での認証のメリット、またそのために準備するもの、認証の流れなどを記載しております。
電子公証制度について
社会的に情報を電子的に交換することにより取引を行う電子取引が活発に行われるようになったことを受け、
政府においても各種申請手続きを電子化するという電子政府の実現に通り組む一貫として導入をされました。
導入当初は制度を利用することができる者が商業登記制度に基づく電子認証制度を利用することが
できるのは法人に限られていたなどしていましたが、個人が利用できる電子証明書も使用できるように
システム改善され、さらに平成14年4月から、会社の定款を電磁的記録によって作成することが
許容されたことに伴い、定款に認証を与える事務についても電子公証制度によることが認められました。
公証人に定款を認証してもらうことで、電子データについても作成者を証明する「認証」や、
その文書データがある時点で存在したことを証明する「確定日付(日付情報)の付与」を行うことができます。
また、認証した電子文書は20年間、電子確定日付に関するデータは50年間保存され、電子文書について
改ざんされていないことの証明や謄本の交付も可能となります。
電子定款による認証のメリット
一番は費用的なメリットがあげられます。紙ベースにて定款を作成すると印紙税法の課税文書として
扱われるため、印紙税4万円が必要となりますが、電子定款では課税文書に該当しないため
こちらが不要となります。
また、登記・供託オンライン申請システムを利用して、オンライン申請が可能となり、
平成31年3月以降はテレビ電話方式での認証制度も利用できるようになっております。
電子定款の認証のために用意するもの
①以下のいずれかの電子証明書の取得
※ICカードの読み取りが必要な場合はICカードリーダー
・「商業登記に基づく電子証明書」(電子認証制度を運営する電子認証登記所)
・「公的個人認証サービス」(地方公共団体
・「セコムパスポート for G-ID」(セコムトラストシステムズ株式会社)
・「電子認証サービス(e-probatio PS2)(株式会社NTTネオメイト)
②PDFファイルの変換ソフト
③署名用プラグインソフト
電子定款の認証の流れ
1、事前準備として、電子証明書の取得、必要となるソフトウェアのインストールを行う。
2、電子定款し、PDFファイル化し、電子署名を行う。
3、公証人役場へ定款の内容の事前確認を行う。
4、登記・供託オンライン申請システムを利用して、電子定款の認証を申請する。
5、公証役場へ訪問して、認証を受け、認証された電子定款の交付を受ける。
公証人の手数料
資本金の額等が100万円未満である場合 3万円
資本金の額等が100万円以上300万円未満である場合4万円
上記以外の場合 5万円
費用的にも利用する価値のある電子定款の電子公証制度ですが、電子定款を作成するためには、
ソフトウェア、機材などの導入に費用がかかり、紙ベースの定款よりも費用が掛かってしまう場合も
あります。また、認証のために公証役場へ出向く必要もあることから、
コスト・時間を考慮して専門家に依頼することを検討されるのも良いかと考えられます。
弊所でも定款作成のご相談から定款認証のサポートまで対応させていただきますので、
お気軽にご相談ください。
当事務所での当事務所での会社設立サポート
当事務所でも法人設立のサポートを行っております。
株式会社、合同会社の定款作成、公証サポート、4万円の印紙を節約できる電子定款にも対応しておりますので、問い合わせフォームよりぜひご相談ください。
ご相談・お問い合わせ|アクティオパートナーズ行政書士事務所 (actio-office.com)