在留カードとは?
在留カードは、日本で中長期的に滞在する外国人(中長期在留者)に対して交付される身分証明書です。中長期在留者とは、3か月を超える在留資格を持つ外国人であり、短期滞在者や観光目的の訪日者には発行されません。
このカードは、日本での生活や就労をスムーズに行うための基本的な証明書で、法務大臣が発行します。在留カードには、以下の重要な情報が記載されています。
• 氏名(原則としてローマ字。漢字は希望者のみ、通称名は不可)
• 生年月日
• 性別
• 国籍
• 住所
• 在留資格
• 在留期間と満了日
• 就労制限の有無
• 許可の種類と許可日
• 在留カード番号および交付日
• 有効期間の満了日
• 資格外活動が許可されている場合、その旨
出入国在留管理庁ホームページより
16歳以上の外国人は、在留カードを常に携帯する義務があります。旅券を携帯していても免除されないため、常に在留カードを提示できる状態にしておく必要があります。
在留カードを携帯していなかった場合は20万円以下の罰金、提示に応じなかった場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがありますので注意が必要です。
在留カードの役割
在留カードは、以下の重要な役割を果たしています。
身分証明書としての役割
在留カードは、外国人が日本国内で身分を証明するための主要な手段です。これにより、以下のような手続きが可能になります。
• 銀行口座の開設:多くの銀行で、在留カードがなければ口座開設ができません。
• 住居の賃借:賃貸契約時、在留カードが身分証明書として必要になります。
• 携帯電話の契約:携帯電話会社も、身分確認のため在留カードを求めることがあります。
就労状況の確認
在留カードには、外国人の就労許可に関する情報も記載されています。特に、「就労制限の有無」が明記されており、企業はこれを基に外国人が合法的に働けるかどうかを確認します。
企業が外国人を雇用する際、在留カードを確認して就労資格を確認することは義務です。この確認を怠ると、企業に罰則が科される可能性もあるため、非常に重要な書類となります。
在留カードの更新・届出・紛失対応
更新手続き
在留カードの有効期限が近づくと、外国人は更新手続きを行う必要があります。
通常、有効期間は在留期間の満了日までですが、永住者や高度専門職2号の方は交付日から7年間となります。なお、在留カードの有効期間更新申請を申請期間中に行わなかったときは、入管法第71条の2の規定により、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがあります。
住居地の変更届出
住居地が変更された場合、新しい住所に移転した日から14日以内に、新住所を市区町村に届け出なければなりません。この届け出は、市区町村の窓口で在留カードを提出して行い、市区町村長を通じて法務大臣に報告されます。
その他の変更手続き
在留カードの記載事項に変更があった場合(氏名、生年月日、性別、国籍など)、変更後14日以内に法務大臣に届出を行う必要があります。
紛失や盗難時の対応
在留カードを紛失したり盗難に遭った場合、14日以内に最寄りの地方出入国在留管理局で再交付を申請する必要があります。届出の期限を守らないと、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがありますので、早急に対応することが求められます。
企業にとっての重要性
外国人を雇用する企業にとって、在留カードは極めて重要な書類です。
なぜなら、企業は従業員が合法的に就労できる資格を持っているか確認する義務があるからです。もし就労資格のない外国人を雇用した場合、企業には罰則が科される可能性があります。外国人を不法に就労させて場合には、3年以下の懲役、又は最大300万円の罰金が科されることもあります。これにより、企業の信用にも大きな影響を与えるリスクがあるため、適切な手続きと管理が不可欠です。
また、在留カードが不正なものではないかどうかを確認するツールとして、出入国管理庁では「在留カード等読み取りアプリケーション」や「在留カード等番号失効情報照会」で確認するなどの対応が重要です。
注意点とアドバイス
企業が外国人従業員を雇用する際には、以下の点に注意することが重要です。
- 定期的な確認:在留カードの有効期限を定期的に確認し、期限が迫っている場合は早めに更新手続きを促す。
- 手続きの記録:在留カードや更新手続きに関する記録を社内で適切に管理し、トラブルに備える。
- 専門家への相談:不明点がある場合や、更新手続きが複雑な場合は、専門家に相談することでリスクを軽減する。
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