原則として、在留資格認定証明書は申請人本人(外国人本人)が申請する必要があります。しかし、実際には多くの場合で一定の条件を満たす代理人が申請を行っています。これは、申請人が海外にいる状況を踏まえて、手続きを円滑に進めるための制度です。
【原則】申請人本人による申請が基本
就労ビザ(例:技術・人文知識・国際業務など)を取得しようとする外国人が「申請人」となり、自ら在留資格認定証明書の申請を行うのが原則です。
しかし、申請人が日本国外に滞在している場合、日本の出入国在留管理局に出向くことが困難なため、一定の代理人により申請が可能とされています。
【代理申請】誰が申請できる?代理人の範囲と要件
以下のいずれかに該当する方は、申請人本人に代わって申請することが可能です。
① 外国人を受け入れる機関の職員等(所属機関の関係者)
たとえば、雇用予定の企業や、入学予定の学校などが「受入機関」に該当します。この機関の職員が、代理人として在留資格認定証明書の申請を行うことができます。
② 法務省令で定める代理人
さらに、次のような法的・制度的に認められた代理人も、本人に代わって申請が可能です。
- 外国人の受入れを目的とする公益法人の職員で、地方出入国在留管理局長が適当と認めた者
- 地方出入国在留管理局に届け出を行った弁護士または申請取次行政書士
- 申請人の法定代理人(たとえば親権者など)
※この代理申請は、原則として「受入機関の関係者または本人」が日本国内に滞在している場合に限られます。
在留資格の種類による代理人の違い
在留資格によって、申請時に求められる代理人の立場や条件が異なることがあります。特に「就労ビザ」と「経営・管理ビザ」では、実務対応が変わります。
就労ビザの場合(技術・人文知識・国際業務など)
就労ビザの代表例である「技術・人文知識・国際業務」では、通常は雇用予定企業の職員が申請を行います。
ただし、企業側が申請に対応できない場合や代理申請の知識・経験が乏しい場合は、申請取次行政書士や弁護士に依頼することも可能です。
経営・管理ビザの場合
経営・管理ビザの申請は、次のような特有の条件が求められます。
- 申請人が海外にいる場合、短期滞在ビザで来日し、本人が申請を行う
- または、日本国内にいる協力者(代理人)に申請を委任する必要があります
具体的な代理人の要件は以下のとおりです。
- 申請人本人が経営に従事する予定の事業所の職員
- 新たに設置する事業所の場合、設立を委託された者
なお、日本国内に協力者(代理人)がいない場合でも、行政書士や弁護士に申請を依頼することは可能です。ただしこの場合、申請時点および許可を受ける時点で、申請人本人が短期滞在ビザで日本に滞在している必要があります。
つまり、行政書士等に依頼する場合であっても、申請のタイミングと申請人の在留状況が重要なポイントになります。
「申請取次制度」とは?代理人との違いに注意
申請取次行政書士や弁護士は、あくまで「提出取次者」であり、法的な意味での代理人とは異なります。
本人や正式な代理人の依頼を受けて申請書等の提出等に係る手続きを行うことであって、
これにより外国人が出頭して、申請を行うことが不要になる制度です。
まとめ|在留資格の申請は専門家のサポートを活用しましょう
在留資格認定証明書の申請にあたっては、誰が申請人となれるのか、代理人になれるのかといった点を正しく理解しておくことが大切です。
就労ビザや経営・管理ビザなど、在留資格の種類ごとに求められる条件や実務対応も異なるため、申請人や受入機関がスムーズに手続きを進めるには、専門家への相談・依頼がおすすめです。
当事務所では、申請取次行政書士が在籍しておりますので、就労ビザの新規申請はもちろん、経営者ビザの代理申請についてもお気軽にご相談ください。