日本で会社を設立したい外国人の方にとって、最初の壁となるのが書類準備です。日本では印鑑が一般的に使用されますが、外国では署名（サイン）が主流です。そのため、日本での手続きにおいては「印鑑証明書」や「サイン証明」の準備が必要となります。本記事では、外国人が日本で会社設立を行う際の「サイン証明」の必要性や取得方法を詳しく解説します。
外国人が会社設立において必要なサイン証明
日本で会社を設立する際、必要となる書類の中で外国人にとって特に課題となるのが「印鑑証明書」です。日本国内に住む外国人であれば印鑑登録を行うことで取得可能ですが、海外在住の場合には「サイン証明」を用意する必要があります。これらの手続きには、時間も手間もかかりますので、事前の準備が欠かせません。
印鑑証明書が必要な場面とは
通常、会社設立の際に印鑑証明書を用意しなければならない場面は以下の通りです。
- 定款認証
株式会社設立時に、公証役場で定款を認証する際に必要です。発起人全員の印鑑証明書が求められます。代理人を通じて認証を行う場合には、委任状とその印鑑証明書も必要です。 - 法人設立登記（株式会社の場合）
法務局で法人登記を行う際、株式会社の場合には以下の場面で印鑑証明書が必要です：- 取締役会非設置会社の場合
設立時取締役の就任承諾書に押印した印鑑の印鑑証明書が求められます。 - 取締役会設置会社の場合
設立時代表取締役が就任承諾書に押印した印鑑の印鑑証明書が求められます。
- 取締役会非設置会社の場合
印鑑証明書を取得できない外国人はサイン証明が必要！
外国人が会社設立を行う際、日本に居住し、印鑑登録をしていれば、住民登録を行い、市区町村役場で印鑑登録を済ませることで印鑑証明書を取得できます。 しかし、経営管理ビザ取得などで法人を設立する場合は、海外に居住している場合が考えられます。その場合は海外に住む外国人の場合、印鑑証明書の代わりにサイン証明などの取得が必要です。
サイン証明の取得方法と利用できる例
以下は、サイン証明書が利用可能な機関の例です：
＜添付可能な署名証明書（Ｂ国に居住するＡ国人の場合）＞
| 本国に所在する本国官憲作成（例：Ａ国にあるＡ国の行政機関） | ○ |
| 日本に所在する本国官憲作成（例：日本にあるＡ国の大使館） | ○ |
| 第三国に所在する本国官憲作成（例：Ｂ国にあるＡ国の大使館） | ○ |
| 本国に所在する公証人作成（例：Ａ国の公証人） | ○ |
（法務省 外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について）
一部、中国、韓国、台湾など印鑑登録等印鑑を証明する制度を採用している場合は、当該国の権限ある公的機関作成の印鑑登録等証明書を利用できます。
サイン証明の翻訳文が必要
サイン証明書が外国語で作成されている場合、原則としてそのすべての内容について日本語の翻訳分を添付する必要がありますので、注意が必要です。
まとめ：外国人が日本で会社設立するには事前の準備が重要
外国人が日本で会社を設立する際、「印鑑証明書」または「サイン証明」の取得は避けて通れない重要な手続きです。サイン証明を準備する際は、母国の公的機関での手続きに加え、日本語翻訳や認証を早めに進めることが成功の鍵となります。不備を防ぎ、スムーズに手続きを進めるためには、専門家に相談することをおすすめします。