就労ビザ申請で知っておくべき会社カテゴリーと審査ポイント

就労ビザの申請において、会社がどのカテゴリーに属するかは非常に重要です。会社の規模や業績に応じて申請時に提出する書類が異なり、それに基づいて審査が行われます。ここでは、会社の所属カテゴリーとその分類に基づく書類や申請の難易度、審査期間の違いについて解説します。

対象となる在留資格の種類は?

「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」といった在留資格の変更、更新等を申請においては、企業規模に応じてカテゴリーを4段間に分類されております。申請書類の内容や、審査期間にも影響がありますので、会社のカテゴリーが重要な要素となります。

カテゴリー分類について

就労ビザを申請する際、会社は主に4つのカテゴリーに分類されます。これらは法人の規模や信頼性に基づいており、申請書類や審査の厳しさにも影響します。

カテゴリー1

カテゴリー1には、以下のような企業が該当します:

  1. 日本の証券取引所に上場している企業
  2. 保険業を営む相互会社
  3. 日本又は外国の国・地方公共団体
  4. 独立行政法人
  5. 特殊法人・認可法人
  6. 日本の国・地方公共団体認可の公益法人
  7. 法人税法別表第1に掲げる公共法人
  8. 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
  9. 一定の条件を満たす企業等

上場企業などが該当し、規模が大きく、社会的にも信用性がある会社が対象となります。

なお、9の一定の条件を満たす企業ですが、こちらは厚生労働省が所管するユースエール認定企業やくるみん認定企業、えるぼし認定企業などの会社が対象となります。こちらは規模がそこまで大きくない企業も認定を受けていることもありますので、一度確認してみることをお勧めします

※ユースエール認定
若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度

※くるみん認定
次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」としての厚生労働大臣の認定

※えるぼし認定
一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良である等の一定の要件を満たした場合に認定

カテゴリー2

カテゴリー2には、主に中企業や大規模法人が該当します。

従業員が数十名以上のある程度の中企業から上場していない大企業

  1. 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
  2. カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関

カテゴリー2も比較的申請がスムーズですが、カテゴリー1に比べると、追加書類が必要で、審査もやや慎重です。

カテゴリー3

カテゴリー3には、設立後間もない企業や、まだ大規模な運営を行っていない企業が該当します。

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

カテゴリー3では、提出書類が増え、審査の厳しさも増します。会社の財務状況や業績を証明する追加資料が必要です。

カテゴリー4

カテゴリー4には、カテゴリー1~3.に該当しない企業が該当します。

具体的な例として:

  • 設立から1年未満の法人
  • 法人としての実績がまだ十分でない場合


カテゴリー4は、最も審査が厳しく、提出書類も多くなります。事業計画書や会社設立証明書など、詳細な資料が求められるため、許可を得るまでに時間がかかることが多いです。

申請書類の違いについて

各カテゴリーに属する企業が就労ビザを申請する際、提出すべき書類が異なります。例えば、カテゴリー1、2の企業は提出する書類が簡素化されていますが、カテゴリー3、4の企業では、会社の事業内容を明らかにする書類や、申請人との労働契約書、申請人の学歴・経歴書など、求められる書類がかなり増加することとなります。

審査期間の違いについて

審査期間は、カテゴリーによって異なることがあります。カテゴリー1と2は比較的短期間で審査が完了しますが、カテゴリー3や4は提出書類が多く、審査に時間がかかる傾向があります。

  • カテゴリー1・2:1~2ヶ月程度
  • カテゴリー3・4:3ヶ月以上かかる場合もあり

まとめ

就労ビザの申請は、会社のカテゴリーに応じて必要書類や審査の難易度が異なります。上場企業や大企業が属するカテゴリー1は申請書類も簡素化され、審査機関も短く済む一方、設立間もない企業が属するカテゴリー4では、厳しい審査が行われます。適切な書類の準備と、会社の状況に応じた戦略が重要です。

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