一般にどのような飲食店であっても、飲食店の営業許可が原則必要となります。
飲食店とは、食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業のことをいい、弁当やパンなどの完成品を
仕入れて販売するだけの営業の場合は、営業許可は不要となります。
また、風俗営業の社交飲食店、特定遊興飲食店、深夜における種類提供飲食店についても、
飲食店となりますので、風俗営業の許可・届出の前提として、飲食店営業許可の取得が必要となります。
以下では、申請に必要な要件、申請の流れなどについて記載していきます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、営業者の指示に従い衛生管理に当たる者のことで、店舗ごとに1名必要となります。
食品衛生責任者になるためには、以下のいずれかの資格が必要です。
・栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注)の有資格者。
(注) 医師・獣医師・歯科医師・薬剤師または、学校教育法に基づく大学で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者等。
・都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者
e-ラーニング型養成講習会|一般社団法人東京都食品衛生協会 (toshoku.or.jp)
食品衛生責任者養成講習会|一般社団法人東京都食品衛生協会 (toshoku.or.jp)
現在では、1日での講習の他、イーラーニングでの受講でも講習を受けることができます。
講習会を終了すると修了証(赤い手帳)が交付されます。
欠格事由
個人の場合は事業主、法人の場合は業務を行う役員が以下の欠格事由に該当していないことが必要です。
・食品衛生法又は同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けること
がなくなつた日から起算して二年を経過しない者
・第五十九条から第六十一条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して
二年を経過しない者
設備の要件
営業施設の設備が以下の基準を満たしていることが必要です。
設備基準は全国で統一されていますが、必要に応じてなどの部分は保健所ごとで異なることがあります。
【営業施設の構造】
【食品取扱設備】
【給水、排水及び汚物処理】
(東京都福祉保健局健康安全部食品監視課発行 食品関係営業許可申請の手引きより)
用途地域による制限
用途地域による制約もありますので、都市計画法上の用途地域の確認も必要です。
第一種低層住居専用地域
兼用住宅で、非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1以下のものは可
第二種低層住居専用地域
2階以下、かつ店舗等の床面積が150㎡以下のものは可
第一種中高層住居専用地域
2階以下、かつ店舗等の床面積500㎡以下のものは可
第二種中高層住居専用地域
2階以下、かつ店舗等の床面積1500㎡以下のものは可
田園住居地域
農産物直売所、農家レストラン等は店舗や飲食店部分が2階以下でかつ床面積の合計500㎡以下のものは可
農産物直売所、農家レストラン以外の場合は、店舗や飲食店部分が2階以下でかつ床面積の合計150㎡以下のものは可
また、工業専用地域では飲食店を出店・開業ができない地域となっております。
その他、東京都では条例において、文教地区を指定し、飲食店の営業が制限されている地区がありますので注意が必要です。
営業許可申請手続きの流れ
①店舗、施設の要件確認
②管轄保健所に事前相談
③内装工事実施
④申請書、添付書類の作成
⑤申請・検査日程の予約(申請書類は施設工事完成予定日の10日くらい前に提出)
⑥営業所の検査
設備に問題がない場合は、1週間程度で営業許可証が交付されます。また、検査にて設備などに
不備があった場合は、再検査等の対応が必要となります。
申請書類一覧
1 営業許可申請書
2 施設の構造及び設備を示す図面
3 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)
※講習の受講が間に合わない場合には、「3か月以内に食品衛生責任者を選任する」旨の誓約書を提出することで申請ができる場合があります。
4 水質検査成績書(水道水、専用水道、簡易専用水道以外の水を使用する場合)
5 登記事項証明書(法人の場合、申請書に法人番号を記載すれば不要)
なお、 許可申請手数料は新規の場合、18,300円です。
その他の届出
その他の届出として、消防署への防火関連の届出が必要です。
・防火対象物使用開始届出書 営業開始7日前まで
東京消防庁<申請様式><防火対象物使用開始届出書> (tokyo.lg.jp)
・防火対象物工事等計画届出書 工事着工の7日前まで(※工事をする場合)
東京消防庁<申請様式><防火対象物工事等計画届出書> (tokyo.lg.jp)
また、建物全体の収容人員が30人以上の場合は防火管理者選任届出書、消防設備設置届出書や消防計画の届出も必要な場合がありますので、出店店舗の規模に応じて、確認が必要となります。
東京消防庁<申請様式><防火・防災管理者選任(解任)届出書 / 消防計画作成(変更)届出書 > (tokyo.lg.jp)
東京消防庁<申請様式><消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書(条例第58条の3)> (tokyo.lg.jp)
東京消防庁<申請様式><防火・防災管理者選任(解任)届出書 / 消防計画作成(変更)届出書 > (tokyo.lg.jp)
参考サイト
「食品衛生の窓」東京都保健医療局 (tokyo.lg.jp)