「技能」の在留資格とは、日本人では代替できない高度で専門的な技能を持つ外国人が日本で就労するために必要なビザの一つです。この資格は、主に特定の職種において熟練した技能が求められる業務に従事する外国人に認められます。
本記事では、就労可能な分野や具体的な対象職種、必要な要件、在留期間について詳しく解説します。
就労可能な分野と対象職種
「技能」の在留資格で就労可能な分野や対象職種は、入管法（出入国管理及び難民認定法）別表第一の二で規定されています。以下に、具体的な職種とその要件を詳しくご紹介します。
1. 調理師
- 対象職種：外国料理の調理師（例：中華料理、フランス料理、インド料理など）
- 要件：
- 10年以上の実務経験（外国の料理学校で専攻した期間を含む）。
- タイ料理の場合は5年以上の実務経験（同じく専攻期間を含む）。
2. 建築技術者
- 対象職種：建築大工、石材加工技術者
- 業務内容：外国特有の建築または土木作業（例：カナダのツーバイフォー建築、インドのレンガ工法）。
- 要件：10年以上の実務経験（外国の教育機関での専攻期間を含む）。
3. 外国特有製品の製造・修理
- 対象職種：外国特有の製品（例：ヨーロッパのガラス製品、ペルシャ絨毯）の製造や修理。
- 要件：10年以上の実務経験（外国の教育機関での専攻期間を含む）。
4. 宝石・貴金属・毛皮加工
- 対象職種：宝石や毛皮の加工技術者
- 具体例：宝石の原石加工や毛皮の製造。
- 要件：10年以上の実務経験（外国の教育機関での専攻期間を含む）。
5. 動物の調教
- 対象職種：動物の調教技術者（例：サーカスや動物園での業務）。
- 要件：10年以上の実務経験（外国の教育機関での専攻期間を含む）。
6. 石油・地熱等掘削調査
- 業務内容：海底掘削や地熱開発の調査など。
- 要件：10年以上の実務経験（外国の教育機関での専攻期間を含む）。
7. 航空機操縦士
- 対象職種：航空機の機長、副操縦士
- 要件：250時間以上の飛行経験
8. スポーツ指導者
- 対象職種：スポーツ競技の指導者
- 要件：
- 3年以上の指導経験（教育機関での専攻期間を含む）。
- またはオリンピックや世界選手権への出場経験。
9. ワイン鑑定士（ソムリエ）
- 対象職種：ソムリエ
- 要件：
- 5年以上の実務経験（教育機関での専攻期間を含む）。
- ソムリエコンクールなどの出場経験。
要件の共通ポイント
これらの職種に共通する要件として、日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上の報酬を受け取る必要があります。
在留期間
「技能」の在留資格で認められる在留期間は、以下のいずれかとなります。
- 5年
- 3年
- 1年
- 3か月
在留期間は、活動内容や日本での活動実績に基づき、出入国在留管理庁が決定します。
まとめ：「技能」の在留資格取得をスムーズに行うために
「技能」の在留資格は、日本の特定産業で高度な技能を持つ外国人が活躍するための制度です。要件が厳しく、申請時に多くの書類準備が求められるため、専門家のサポートを受けることをお勧めします。
お問合せ
東京都中央区の茅場町に事務所を構える当事務所ではビザ取得のサポートはもちろん、その後の転職や在留資格更新のサポートも提供しています。ご不明な点やご相談がありましたら、ぜひお問い合わせください。
